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リー・リトナーのギター [ジャズ関係]

 音楽の最初期に出会ったのがラリー・カールトンだったこともあり、同時代的なギタリストのリー・リトナーにも興味は向かったのは当然のことだった。
 リー・リトナーのアルバムで最初に聞いたのは1981年の「RIT」。しかしこのアルバム、ギターが前に出るより、ヴォーカル(エリック・タッグ)がフューチャーされたAORテイストの内容だった。シングルカットされた「イズ・イット・ユー」は爽やかで心地よいAOR系の曲で当時好きな曲ではあったのだが、ギタリストとしてのリー・リトナーという点に関しては薄い存在と認識してしまった。
 こうしてその後は関心も発展しないまま長い時間が過ぎていった。

 それでも最初に聞いてから40年近く経つなかで、何枚か聞くうちに変化が生じてきた。特に近年、いつの間にか聞く機会が増えてきたこもあり慣れてきたのかもしれない。全般的に感じるのは形式やフォーマットにこだわらなく、曲自体を引き立てるようなギター、というのが特徴だろうか。1993年にはウエス・モンゴメリーのトリビュート、 1997~2003年には「ツイスト・オブ・ジョビン」、「ツイスト・オブ・マーリー」、「ツイスト・オブ・モータウン」と多方面の音楽との接点をつくり、特にブラジル音楽との関係は随所にでてくる。

 この人の作品の特徴をよく反映したアルバムに1998年発表の「ディス・イズ・ラヴ (This Is Love)」を挙げられるだろう。心地よいサウンドものに加え、レゲエ調、ダンサブルな音など、聞きやす中に躍動感がある。そして取り上げたカバー作品が4曲あり、
ソニー・ロリンズの2曲(Alfie's Theme、Street Runner)、クラシックの曲(フォーレの"Pavane")もあるが、中でも一番意外に思ったのは、シンガーソングライターのランディー・ニューマンの1970年代の作品("Baltimore")まで広げてる。ただ多方面からの曲を取り上げてるが、原曲に忠実というよりリー・リトナーのサウンド体系に置き換えられたサウンドになり、フォーレのパヴァーヌは冒頭はクラシカルな入りだが、中盤からはコンテンポラリーサウンドに様変わりしてゆく。

 「ツイスト・オブ・マーリー」(2001年)もボブ・マーリーの作品トリビュートなのだが、レゲエ色はあるものの、基軸にコンテンポラリーな音作りが入るので、割と普通感覚で聞ける。
 
 気楽に音楽聞きたいシチュエーションが増えてきたのか、近年リー・リトナーを軽く聞き流すことが多い気がする。そうして繰り返し耳にしてると、この曲の良さを引き立てるギター、何ともいいなあと感じる最近である。

CD:「This Is Love」/Lee Ritenour(i.e. Music、1998年)
  「A Twist of Marley」/Lee Ritenour(GRP、2001年)
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