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シューマン:交響曲第3番/日本フィル [コンサート(オーケストラ)]

 前回の公演が印象的だったのでブログに書いたが、今回はそれ以来となる来日。4年ぶり3度目となるリープライヒの日本フィルとの共演を昨日聞いてきた。

https://presto-largo-roadto.blog.ss-blog.jp/2019-03-17
https://presto-largo-roadto.blog.ss-blog.jp/2019-12-08

 前2回もプログラミングが多彩だったが、今回も多様で、前半の三善晃、シマノフスキの曲は初めて聞く曲となった。

 前半2曲はなかなか複雑で、シマノフスキのヴァイオリン協奏曲は25分程度の曲ながら単一楽章という独特さ。メロディーが見えにくく掴みどころが難しかったが、中盤以降少し寄り添えた感じもあった。

 後半はシューマン交響曲。しかしこの曲のみならず、シューマンの交響曲はなかなか聞くのが難しい。分かりにくさではなく、どこか上滑りしてゆく感じがある。集中して聞こうと構えてみるものの、音が身体をかわしてすり抜けてゆく、そんな感じがこれまで何度かあった。

 そんな中、休憩中プログラム読んでたら、ライン川沿岸をよく散歩したり、ケルン大聖堂の荘厳さに感動したこと、ケルンの旅の印象などが反映されてること、作品モデルにベートーヴェンの交響曲6番があったのでは、という箇所を読んでると、こういうイメージとともに聞けばいいかもと、感じた。
 冒頭から川沿いを散歩するイメージを作りながら、聞いてみる。第2楽章~3楽章の緩徐楽章の穏やかな流れはナチュラルに入ってくる。そして全体の中でこの第4楽章だけ雰囲気が違うのが、ここがケルン大聖堂の荘厳さの印象から作曲された重厚な楽章となってることが、イメージとして事前に入ってると違和感はない。リープライヒの音はゆったりと広がりを作り上げ、生き生きとした曲の感覚を扱いながら最後まで進んでいった気がした。
 事前にイメージや曲の背景を持って入ったこともあり、これまで遭遇したような上滑り的な感覚の再現は、この日出てこなかった。

 作曲家や背景のことを知らないでも真正面から音楽だけに対峙するスタンスは重要と思うが、時には背景を丹念に調べることで、豊かに聞けることもあるだろう。この日の自分自身も前半の難解な曲にどうもフィットしてなく、適度に緩い気分が存在してたのだろうが、シューマン交響曲を今回そうした緩い感覚とともにうまく聞けたようだ。

 さて、日本フィル2024/2025年シーズン定期演奏会の日程発表されたので見てみたが、来年もまたリープライヒの指揮が入ってる。プログラムをみると、全4曲中知らない曲が3つ・・・またまた多彩なプログラム、非常に楽しみである。

指揮:アレクサンダー・リープライヒ/ 日本フィルハーモニー交響楽団
2024/3/23日本フィル定期演奏会 サントリーホール
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