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映画「PERFECT DAYS」/ヴィム・ヴェンダース [DVD・テレビ・ラジオ]

 先日ヴィム・ヴェンダースの映画を見てきた。
 2年前くらいから、月に一回程度近くのシネコンに行くようになっていたが、今回ヴェンダースの作品がラインナップにあったので、見てきた。90年頃に見た「ベルリン・天使の詩」は内容は覚えてないが、映像の印象は残ってるし、「パリ、テキサス」はすごく感じ入るものがあったが、とにかくヴィム・ヴェンダースの映画は久しぶりになる。

 毎日の仕事と生活を淡々と映し出してゆく。会話や話言葉は少なく、特に主人公平山は最小限の会話しかしない。会話が少ない分、仕事の移動中の車で流れる音楽はぐっと存在感を出しているようだ。車で聞くのは古いカセットテープからの音楽。

 60~70年代の音が多く、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドとルー・リード、オーティス・レディング、キンクス、アニマルズ、ヴァン・モリソン、パティ・スミスなど。
 知ってる曲ではあったが、主人公が朝早く都心を車で運転しながら流れる音楽として聞くと、印象は新鮮だった。アニマルズ「朝日のあたる家」という有名な曲が、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのけだるい「Pale Blue Eyes」が、ヴァン・モリソンの躍動感を携えた「ブラウン・アイド・ガール」が、こうして仕事前の朝の車で聞くと、曲の持ってる別の側面があぶりだされてくる。

 自分は車の運転はしないので、こうしてカーステレオの音楽というシチュエーションは乏しいが、カセットテープの記憶はいくつかある。カセットテープといえばFM放送やレコードからダビングするために買ってたが、この映画では音楽ソフトとしてレコードと同時に発売されたカセット。レコードやCDショップで見かけたとことはあったが、買うことはなかったものの例外的に一時期買ったことがある。

 それはちょうど、長期の海外出張してた時で、休みの日に大手レコード店に行ったときだった。1996年だったので、CDがメインだったが、日本と違って新作がカセットテープでもけっこう売り場に出ていた。しかもシングル盤のカセットテープというのもあり、それは大変安く買えたので、当時日本からポータブルのカセットデッキしか持ってきたなかったこともあり、いくつか買ってみた。

 その後、古本屋なども見つけて入ってたりしたのだが、とある古本屋の片隅に中古カセットテープが販売しているのを見つけた。日本でも中古盤店めぐりばかりやってたのだが、中古のカセットテープというのは初めて見たので、物珍しさもあり、そこでいくつか買ってみた。コンパクトになったジャケットだが、たいへん重宝して聞いていた。天気のいい日には川沿いで聞いたことも記憶に残ってる。

 映画見ながらそんなことを思い出していた。
 映画見終わって、映像とともに音楽が会話以上に雄弁に語ってたような印象も残った。

映画:「PERFECT DAYS」 2023年 ヴィム・ヴェンダース
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