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シューベルト弦楽四重奏曲 第13番/キアロスクーロ・カルテット [コンサート(その他)]

 3月は気温上がらない日続いたが、月末に気温が急上昇。その日はコンサート予定で外出の日だったが、外出してみると思ってたよりはるかに暑い。結局駅までの途中、今年初めて半そでになる。冷え性と寒がりの自分がこれだけ暑さを感じるということは、一般的な人はもっと暑さを感じてただろう、と思いながら、ここ数年こうした急激な寒暖差は身体の対応が難しくなってると痛感するばかり。

 この日は、初めて聞く、キアロスクーロ・カルテットの演奏。
 ガット弦&ノン・ヴィブラート、低めのピッチで演奏するとのことで、音色はいつもと違うものになると予想してたが、それ以外にも違いはあり、チェロ以外が立奏、譜面はタブレットということで、視覚的にも違った。

 冒頭曲にはパーセルの作品。弦楽四重奏公演でハイドンより前の作品が取り上げられたのは記憶にないので、大変珍しい選曲。前半2曲目はハイドン弦楽四重奏曲「冗談」。最終楽章のユーモラスな演奏は終わったと思わせつつ、この曲はやはり実演で聞いてこそ面白さがあり、まさに「冗談」の表現にやられた、というところ。

 後半はシューベルト弦楽四重奏曲 第13番「ロザムンデ」。この曲の第2楽章は声高に語ることなく、シューベルトの歌心あふれる楽章だが、そうした心情が音色にうまく反映していたと思う。

 ガット弦とかピッチの低さから、やはり音はくぐもった感じがあり、ぐっと広がることはない印象だった。普段と違う音色だったこともあり、やはり無意識に慣れ親しんだ音色と比較するので違和感は確かにあった。そんな中、聞くにつれ、外側に向かって伸びやかに広がってゆくというより、音のイメージは内側に入ってくるような感じがあった。音が内側に、というのも妙な表現で、自分でも詳細な説明ができないのだが、どういうわけかイメージ上でそういう風に感じていた。
 そしてその内側に方向性をもった音に、どこか親密な会話のようにも聞こえてきた箇所もあった。

 生活レベルでも、毎日の繰り返しの手順や順番がいつもと違たったりすると、違和感が生じることがある。また、例えば駅までの歩く道を突然途中で曲がるとか、よく食べる店で急に注文したことのないメニューを頼んでしまうとか、部屋のカバンの置き場所を変えるとか、無意識に固定化されていた冷蔵庫内のモノの位置を変えるとか。そうした些細な変化は、アクセントとなり、普段気が付かなかったことに気が付くことがある。
 ちょっとした変化だけど、日々の生活では案外大切なことでもあるな、などとコンサートの感触から少し逸脱しながらも、終演後にそんなことをつらつら考えていた。


2024/3/31 フィリアホール キアロスクーロ・カルテット

パーセル:4声のファンタジアより 第7,8,11番
ハイドン:弦楽四重奏曲 Hob.III:38「冗談」
シューベルト:弦楽四重奏曲 第13番 D804「ロザムンデ」
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バルトーク弦楽四重奏曲 第2番/クァルテット・インテグラ [コンサート(その他)]

 平日午後のコンサート。今までは平日のこういう時間帯には行けなかったが、仕事と通勤が減って融通もつきやすくなったので、今後は平日午後パターン増やしたいものだ。ただ、平日の場合は19時開演が多いが。
 
 この日のプログラムはハイドン→バルトーク→シューベルトというバラエティーに富んだ構成だったが、個人的に焦点はバルトークだった。
 今回聞いたカルテットは1年前に演奏会で聞いたが、その時のバルトーク弦楽四重奏曲第1番が印象深く、ちょうど今回プログラムに第2番が入っていたので、また興味深く聞いてきた。
 冒頭のハイドンの曲を聞き終え、バルトークに移ると、ぐっと気持ちが音に寄ってくのがわかった。最近の個人的な不安定さを抱えた時間も影響したのか、この日は気分的にバルトークの音質が自分には適合していたようだ。

 第1楽章や第3楽章はほの暗い下降感覚の中、感情の起伏が交錯しながら、不安な方向をさまようよう。捉えどころの見えにくさ、重ためのトーンの中、第2楽章はスピード感もあり、聞きやすい楽章だと思う。前のめりに突っ込んでゆくような感じもあり、強くアグレッシブな弦楽器の音がガツンとくる。
 以前までバルトークの音楽に対して、感じるものを定着化できないままでいたのだが、前回聞いた第1番で少し掴みだせた感じがあり、この日の第2番に対しても、従前のような何かわからない感じから一歩踏み込めた気がする。とはいえ、バルトークの音楽はまだまだ捉えきれていないから今後も接点を探しながら継続してゆきたいものだ。

 なお冒頭のハイドンの弦楽四重奏曲だが、ロシア四重奏曲6曲セットの中からの第37番を初めて聞いたのだが、珍しい選曲だったのではないか。調べるとこのセットにはニックネーム付きの曲が3つ(「冗談」「ご機嫌いかが」「鳥」)あるので、これらの曲がある程度有名らしいが、37番は今回のは初めて聞いたが、短調という特徴に緩やかさも交えつつ、バランスの取れた感じの構成に思えた。

2024/1/24 フィリアホール/クァルテット・インテグラ
ハイドン弦楽四重奏曲 ロ短調 Hob.III:37/Op.33-1
バルトーク弦楽四重奏曲 第2番 Sz.67/Op.17 
シューベルト弦楽五重奏曲 ハ長調 D956(共演山崎伸子:チェロ)
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ドビュッシー「前奏曲集」/三浦友理枝 [コンサート(その他)]

 ドビュッシーの作品は、どうも接点が見えにくいと感じている。感触があやふやで、どこか宙ぶらりんの状態に陥てしまうこともあるが、時折音楽に触れた瞬間もある。しかしそれらは長く続かず、やがて霧のように流れ去ってゆき、手ごたえのような確たるものが残らない、そんな印象をずっと抱えてきている。

 そもそもピアノ演奏会は近年ご無沙汰しており、またドビュッシーのピアノ曲は本当に久しぶりのことで、さらに「前奏曲第1巻~第2巻」という全曲演奏という珍しい内容でもあり、事前に曲を2,3回聞いて全体感の雰囲はなぞっておいた。

 昨日聞いてきたが、前半の第1巻は思ってた以上にじっくり聞けた。音に耳を傾けても、すぐ離れてしまうことが多かったドビュッシーのピアノ作品だが、やはりホールでの音に対峙すると、全然違った。7曲目の「西風の見たもの」では風の強さを思わせる猛烈な演奏部分もあり、11、12曲目はリズムもあり接しやすかった。その中で10曲目の「沈める寺」の徐々に演奏が盛り上がってゆき、スケール感も感じられ、この第1巻の中核に位置してるようにも感じられた。

 後半の第2巻は、第1巻と比べると、冒頭の「霧」の動きの見えにくい曲も含まれており、曲にあいまいな空気感が漂う部分も感じられたが、第1巻からの連続性で聞いたことで、事前予習した時よりもクリアに届く曲もあり、実演奏のリアリティを感じられた。ハイライトは最後の「花火」で、花火というイメージと掛け合わせやすく、派手やかな演奏はダイナミックな展開でたいへん聞きごたえがあった。

 この演奏会は「ドビュッシー・ピアノ作品全曲演奏会」の3回目ということだが、演奏前に本人からの曲解説などもあり、また聞き終えてから手ごたえも実感できた感覚があり、曲に融和できた部分もあったかもしれない。そういうことで今回の演奏会は大変有意義なものとなったが、このシリーズは全4回で次回が最終回となるようだが、ぜひ次回も聞いてみたいものだ。


2023/12/16 フィリアホール
ピアノ:三浦友理枝
ドビュッシー・ピアノ作品全曲演奏会 第3回 
前奏曲集 第1巻~前奏曲集 第2巻
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「オール・カプースチン・ジャムコンサート」 [コンサート(その他)]

 先週はコンサートの予定が重なり、金曜日夜に日本フィル(サントリーホール)、土曜日は神奈川フィル(県立音楽堂)、そして日曜日の午後はカプースチンの音楽、と3日連続のコンサート活動となった。
 近年は身体的の負担軽減も考慮しできるだけ土日連続は回避し、それでも日程上2日連続は生じることはあったが、さすがに今回のような3連投はここ数年なかったはず。今年は、暇もできたし、精力的にコンサート聞きに出てるとはいえ、さすがに疲れた・・・。

 さて、この3日連続の最後聞きに出かけたのは「オール・カプースチン・ジャムコンサート」という、カプースチン音楽のコンサート。10年前ほど前にカプースチン作品を初めて聞いてから、興味関心は持ち続けてきてが、いかんせん演奏機会は多くないようで、機会あればと思っていた。
 定期的に情報収集してるわけではなかったが、2020年の「カプースチン祭り2020」というイベントを知り、行ってみようかと考えてたところ、コロナで中止。その後も時々情報チェックしながら、ようやく今年4月には「カプースチン祭り 2023」と題されたコンサートの開催が決まったので行ってきた。3部構成のうち第1部しか聞けなかったが「カプースチン愛好家によるプロローグ・コンサート」と題された内容は、アマチュアのピアノ演奏中心とはいえ、カプースチンの音楽に触れることができたいへんうれしかった。そのコンサートで配られたチラシで、後日カプースチンものの企画コンサートがあることを知り、先日はこのコンサートも聞いてきた次第である。

 前半はピアノ曲、後半はヴァイオリン・ソナタとトリオ演奏ものという構成。この日もっとも印象に残ったのは、前半の最後にピアノの四手連弾曲「シンフォニエッタ」という曲。初めて聞いたが、連弾ということもあり、リズムよく、強い音や高速部分も交え、音が敷き詰められたように跳ねてく感じ。中間部はテンポを変え、全体的にはドライブ感があり、ジャズ的要素以外にもジャンルをミックスしたような音楽展開が印象に残った。またほとんどピアノ作品しか耳にしてこなかったこともあり、後半のヴァイオリンソナタやトリオ演奏は、この作曲家の知らない側面も感じられた。

 カプースチンの音楽は聞けば聞くほど身体に入ってくる感じがする。最初の頃、頭ではわかるのだが、どこかリズムの動きに対し、感覚と身体に微妙なズレのようなものがあった気がした。そうしたズレは、しかし聞き続けてゆくうちに徐々に歩み寄り、最近は身体感覚から入ることができるようになってきたかもしれない。
 とにかく今後も聞ける機会を逃さずに、継続的に聞き続けたい音楽である。

2023/4/23 「カプースチン祭り 2023」 横浜市戸塚区民文化センター「さくらプラザ」
2023/7/9 「オール・カプースチン・ジャムコンサート」 横浜市港南区民文化センター「ひまわりの郷」
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プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第2番/日本フィル [コンサート(その他)]

 何度聞いても、全貌がつかみにくい曲というのがあるが、この曲もそのひとつだった。今回聞くことに先立ち、はてどんな曲だったか記憶がおぼろげだったので、結局2回ほど事前に聞いてから、昨日のコンサートに行ってきた。

 方向性が定まらなく、ぎくしゃくとした動き、どこか安定しない雰囲気が全体を包む。第1楽章は中間部で長いピアノ独奏の世界に入り込み、通常のピアノ協奏曲よりピアノソロパートの比重が高い曲の印象を受けた。
 第2楽章は短いがプロコフィエフらし速い展開。そしてこの曲中最も難解と思わせたのが第3楽章。冒頭のオーケストラの暗く低い音色、パンフレットに「ロメオとジュリエット」を想起させるというのは、確かにそんな感じ。
 第4楽章はめまぐるしく変化する。この曲の最も印象に残りやすいメロディーが途中現れてくるが、ラストに差し掛かると、突如音楽が強烈な動きに変貌、一気にそのままフィナーレとなった。

 全体的にピアノ独奏パートの音が前に来る感じで、その分オーケストラはピアノの背景に回りこみ、サポート的になる箇所が多いが、展開が大きく、聞きどころはけっこう多いなと感じた。ここ数年間、プロコフィエフの音楽について意識的に取り組んできたこことで、プロコフィエフ的ならではの「ふし」のようなもの、独特の音や展開などにかなり慣れてきたこともあって、そうした積み重ね部分をよりどころにしながら聞けたのかもしれない。
 今まではどうもわかりにくいと思ってたのだが、プロコフィエフ作品を相当聞き重ねたことで、始めたこのピアノ協奏曲2番が、エキサイティングな曲として受け止めることができたのだろう。

 この日久しぶりに聞いたチャイコフスキー交響曲第6番、前半のワーグナー「トリスタンとイゾルデ~前奏曲と愛の死」も良かったので、終わってから、音楽いっぱい聞いたなという感じだった。


ピアノ:阪田知樹 指揮:大植英次/ 日本フィルハーモニー交響楽団
2023/6/10日本フィル定期演奏会 サントリーホール
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ジョヴァンニ・ソッリマ 無伴奏チェロ・リサイタル [コンサート(その他)]

 毎年ゴールデンウィーク期間中は仕事の繁忙期と重っているので、この日のコンサートの前に午前中に出勤してひと仕事を終えてからとなった。場所は数年ぶりとなるフィリアホール。耐震化工事のためおよそ1年間休館していたフィリアホールだが、ようやく再開となり、その「リニューアル&オープン30周年記念コンサート」を聞きに行ってきた。
 ホールに入って、ふと思い返してみると、ここ数年間はバイオリンやチェロ、ピアノなどの単独楽器の演奏ものは全く行ってなく、多分4~5年くらい行ってないような気がする。また事前の曲目見るとバッハの無伴奏曲以外は知らないので、あまり予習的なこともせず、ふらっと出かけた感じだった。仕事のあと、久しぶりの器楽曲、ということもあり最初少し場の空気感になじむのに時間がかかったが、前半の最後あたりから俄然音にグッと接近していった。

 バッハの無伴奏チェロ組曲は前半に1番、後半は4番の2曲。速いテンポで進めた感じ。そして特に後半プログラムになると、多彩な演奏法を駆使し、楽器と自分自身の身体を生かした音の出し方に驚かされた。突然チェロを抱え歩きながらの演奏、ギターのように楽器をタップしながらの音だしもあり、歌声も交えたりする。弓は数本を使い分けていたが、弦のあらゆる部分に弓をあてたり、はじいたりしながら、音のバリエーション多様さにひきつけられる。

 特に自作の曲が自分にはフィットした。演奏曲目みると、自作の「ファンダンゴ(ボッケリーニへのオマージュ)」、「ナチュラル・ソングブック」、「ラメンタチオ」という曲が演奏されたが、速いパッセージで、高速の動きなどがあり、こういう曲は自分の好きなタイプの曲調。

 後半が終わったが、何かまだ続きそうな気配があり、そしてアンコールは2回3曲披露となった。これがまたなかなかの選曲で、坂本龍一「ラストエンペラー」のテーマ、ジミ・ヘンドリックス「エンジェル」など。坂本龍一の曲は彼が亡くなったこともあり、グッときたが、ジミヘンはロック調。そして最後は自作の曲で、何やら小さなものを取り出している。何だろう、パキット割って、半分床に投げ捨てたのを見て、どうも割りばしのようだ・・・しかもそれを、弓代わりに弾きはじめた。固定概念にとらわれずあらゆる音の可能性を探求するその姿勢に、ただただ驚き。
 途中観客の手拍子も誘導する場面などもあり、なんか全体はロックっぽいコンサート感で、個人的にはたいへん楽しめた。遊び心があり、ユーモアも交えつつ、自由自在に音が発せられ、聞く者の心をすっと掴む、これは実際聞きにきて、本当によかったと思った。

2023/05/3 フィリアホール 

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バルトーク弦楽四重奏曲 第1番/クァルテット・インテグラ [コンサート(その他)]

 コンサートの日程で土日連続で聞きたい催しがあっても、最近は連続しないようどちらかに絞り込んでいる。この週は早くから日曜日にオペラ予定が入ったことで、土曜日は休みとしたのだが、土曜日には弦楽四重奏のコンサートもあり、これも聞きに行きたかったが、今回はやむを得ずパスした。が、どこか踏ん切りがつかなかったのだろう、また弦楽四重奏曲のコンサートの間隔が開きすぎたこともあり、結局予定を変更し、急遽行くことにした。

 その理由は、やはりこの日演奏するカルテットを聞きたいと思ったこと。事前のインタビュー読んだりHPなど調べてみると、バルトーク国際コンクール弦楽四重奏部門で第1位とかあるし、これはぜひ聞きたいと思い、また演目にバルトークが入ってたことも大きな要因だった。

 半年以上ブランクのあった久しぶりの室内楽だったが、今回の演奏曲は非常にユニークなプログラムとなっていた。「3大Bの弦楽四重奏曲」の第1番のみで構成。しかも、この先3年シリーズで、ベートーヴェン、ブラームス、バルトークの弦楽四重奏曲第1~3番を演奏するとのこと。かなり多様な構成になった前半はベートーヴェンの軽めな曲に続き、注目のバルトーク。

 バルトークの第1番に入ると雰囲気は一転し、緊密度の高い音の掛け合いとなった。不安定な音色の中、さまようように、沈み込むように、時に切り込みむように、クリアな音がバルトークの音楽を開示してくれる。求心力のある、高い集中力をもって音楽をつまびらかに広げてゆくようだ。表面的には難解な印象を受けるが、彼らの演奏により、音楽としての有機的な繋がりを十分感じさせるものだった。
アタッカでつないだ30分あまり、聞く側の自分もいつしか引き込まれてゆき、あっという間の時間だった。

 後半はブラームス。ハ短調のブラームス色がくっきり出ている印象の作品だったが、今回聞くと、各楽器のやりとりなどが、しっかり見えてきて、今までとはちょっと違った印象だった。これまで積極的には聞いてこなかったブラームスの室内楽だが、そろそろじっくり腰を据えて聞く時期なのかもしれない、とふと思った。

 とにかくこの日は久しぶりに聞けたバルトークの弦楽四重奏曲が、しっかりとした手ごたえを感じさせた。このシリーズの次回はちょうど一年後になるようだが、ぜひ次回も聞いてみたいものだ。

2023/1/28第一生命ホール クァルテット・インテグラ
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第1番 ヘ長調 Op.18-1
バルトーク:弦楽四重奏曲 第1番 Sz.40 BB52
ブラームス:弦楽四重奏曲 第1番 ハ短調 Op.51-1

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いくつかのコンサート 雑感 [コンサート(その他)]

 久しぶりに先週からコンサート回数が増えた。先週2回、昨日1回と2週間で3回というのは最近にはなかった。外出を控えていると、次第にコンサート出かけるのも、時間がかかり、面倒・億劫な気分になってしまっていたが、気温も上がてっきたりして、気分的にも外出したくなってきたのだろう。

2021/5/21 神奈川フィル 県立音楽堂
 モーツァルト/コンサート・アリア、モーツァルト/交響曲第36番他
2021/5/22 東京交響楽団 ミューザ川崎
 ショスタコーヴィチ:ピアノ協奏曲 第1番、ウォルトン:ベルシャザールの饗宴他
2022/5/28 日本フィル サントリーホール
 伊福部昭:ピアノと管絃楽のための《リトミカ・オスティナータ》、マーラー:交響曲第4番

 1週間経過し、個々の記憶が減じてしまいあまり書けないが、特に今回は合唱や歌ものが続き、久しく歌ものをリアルに聞いてなかったこともあり、新鮮さが大きかった。神奈川フィルで小林沙羅のモーツアルトアリアは、近くで聞いたこともあったが、歌声は普段以上にリアルに届いてきた。この感覚ずいぶん長い間触れてなかったものだな、と思った。翌日の東京交響楽団、ベルシャザールの饗宴は100人を超える合唱団という大規模なスケール。2年以上合唱曲聞いてなかったこともあったが、ただただ圧倒された。

 またほかにも、ショスタコーヴィチ「ピアノ協奏曲」、伊福部昭「リトミカ・オスティナータ」と打鍵の強めなピアノ曲が続き、こういうのは結構自分の好みだと再認識。

 こうして続けて聞くと、以前のようなペースが思い出され、さて次は何聞こうかなどと考るようになる。久しくオペラもご無沙汰してたので、ぼちぼち再開しようかな。
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ベートーヴェン・チクルスⅥ / ウェールズ弦楽四重奏団 [コンサート(その他)]

ベートーヴェン・チクルスⅥ / ウェールズ弦楽四重奏団

 先週は一か月ぶりにコンサート聞きに外出してきた。
 平日は仕事で毎日都内へ出勤しているとはいえ、休日に関しては都心方面の外出はあまりない。出かけるといえば、コンサートという用事しかなくなってきたが、振り返ってみると、以前はもっと頻繁に出かけてたことを思い出した。

 90年代には、中古CD店、映画館、書店に出かけたり、喫茶店めぐり、写真撮影、買い物、ぶらぶら歩くことなど、とにかくいろいろな目的をこしらえて出かけていた。休日部屋で過ごすと落ち着かなかったので、外出することで、バランスをとっていた気がする。その後2005年あたりからは、クラシックコンサート熱狂時代に突入し、かれこれ10年以上その状況が続いた。この時期は毎週のようにコンサート聞きに出かけたので、忙しかったが、目的は一本化されてたので、行動に迷いは少なかったかもしれない。時々出かけるついでに中古CD店や書店立ち寄ったり、喫茶店に短時間滞在を組み込んだりもしながら、あわただしく過ぎていった気がする。

 そして近年、コンサート通いも落ち着くと、外出自体が極端に減ってきた。これまで外出した目的が、ネットなどで完結してしまうことが増え、多様な購買行動はネット中心になってしまった。ただ書籍については、実店舗で手に取って、パラパラめくってみないと気が済まなく、長年ネットの対象外分野だったが、昨年ついにネットで注文、これもありかと思ったが、使ってるうちに結構便利になってきてしまった。こうした状況にコロナのことが重なり、さらに外出は減ってしまったというのが現在までのおおまかな流れ。

 さて、先週久しぶりにコンサート目的で出かけたのだが、時間に余裕があったので、普段駅からホールまで使うルートを、ふと変え、遠回りして歩いてみた。10分ほど余分に時間をかけ歩いてみると、初めて見る道路や店舗、建物や景色が妙に新鮮に感じられた。外出が減ってくると、いざ出かけようと思っても、面倒だ、疲れる、億劫だと感じることが全面に出てしまい、別に今日じゃなくてもいいか、と消極的になってしまう傾向が増えてたのだが、たまにはこうして出かけると、やはり気分転換にはなる。歩きながら、そうだ、以前行ったことのある場所を再訪するのもいいかもしれない、と思ってみたりした。

 そんな気分の延長からこの日のコンサートを聞いた気がする。
 2月に続き、この日はベートーヴェン弦楽四重奏曲チクルスの最終回。第2番、5番、そして12番という構成。
 静かな空気感に凛とした音色が奏でられる。じっくりと、急ぐことなく、丹念に音を紡ぎだしながら、進んでゆく。いつもは日常の出来事に拘泥したまま、気になっていることや雑念が登場し、集中力を妨げるのだが、この日は思考が非活動モードに入ったのか、ただただ音楽を追いかけ、なぞれたようだ。
 後半の第12番の冒頭が開始され、さまざまな動きやニュアンスの変化を経ながら、最後の音にたどり着く。改めてこの曲の内包する音の方向性や変動幅、展開に感じ入った、そんな印象がしっかりと残った。
 
 2022/5/8 第一生命ホール  ウェールズ弦楽四重奏団
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ベートーヴェン・チクルスV / ウェールズ弦楽四重奏団 [コンサート(その他)]

 今年は寒さが厳しく、休日は買い物くらいしか外出してなかったが、昨日ようやく一か月ぶりのコンサートで外出。
 例年この時期は活動性が低下し、内向的になりがちだが、全般的に何をやっても中途半端というのか、集中が欠けて、常に心あらずという状態になっている。あれやって、これやってみて、目先を変えてみても、うまくゆかない。本読んでも、音楽聞いてもどこか没入できない部分が常にあり、そうこうしながら月日は流れてゆく。

 そんな状態の中、室内楽を聞きに出かけるのはちょっとしたアクセントになるだろうかと考えた。今回のウェールズ弦楽四重奏団「ベートーヴェン弦楽四重奏曲全曲チクルス」は2019年の2回目しか聞いてないが、ほぼ2年ぶり、さらに弦楽四重奏自体を聞くのも1年程ご無沙汰だったので、久しぶり感がけっこうあった。

 この日の前半は第3番と16番という組み合わせ。意外な感じだったが、チラシの説明読むと最初と最後に書かれた作品の組み合わせということだった。
 第3番は初期の聞きやすいタイプの曲という印象だったが、演奏が始まると今までの印象が変わってゆく。テンポはゆっくり目だが、そのため曲の構造や各楽器の音色がぐっと立ってくる。こんな音が入ってたのかという箇所が随所にあって、驚きと新鮮さの中、聞き進めてゆく。

 そうしていると、次第に自分がリラックスしながら自然と曲に対し開放状態で向き合ってきた。普段はコンサートで意識的に集中力を持とうと思うが、この日はそうでなく、自然と音に引き寄せられ、包まれ、引き込まれていった。心が開放された状態が生まれ、音楽が流入してくる、そんな状態。こんなことは本当に久しぶりだった。
 おそらく、今現在の自分の内省的で、内側に向かっている状態に弦楽四重奏曲がフィットしたのだろう。交響曲や協奏曲、オペラとかでなく、今は弦楽四重奏曲が自分の状態に適合しているのだ、と思った。

 そして第3番の後の16番も音楽を心のなかで受け入れ、咀嚼し、感じる時間が存分にあった。今まで何度か聞いてきた16番だが、新たなニュアンスや表情があり、驚きや発見、そして音楽に満たされてゆく充足感が大きく感じられた。

 後半の第8番 「ラズモフスキー第2番」もその流れで聞き進め、この日のコンサートを聞き終えた。

 弦楽四重奏曲と、ひそかな対話の時間を過ごせた、そんなコンサートだった。

 来月の最終回も聞く予定である。

2022/2/12第一生命ホール ウェールズ弦楽四重奏団
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