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テレビ番組「アナザーストーリーズ」より:ボブ・ディランのこと [DVD・テレビ・ラジオ]

 一昨日、NHKで放送されたテレビ番組「アナザーストーリーズ 運命の分岐点」で、ボブ・ディランを取り上げたので見てみた。ディランの話の中では必ずと言っていいほど言及される1965年「ニューポート・フォーク・フェスティバル」の映像があり、これは初めて見た。
 自分にとってのディランはこの1965年以降の音楽がメインとなっていったこともあり、その分岐点というステージは感慨深いものがあった。一方でそれ以前のフォークミュージック時代やその背景はあまり意識しておらず、また近年のノーベル文学賞に受賞した経緯なども知らなかったので、初めて知ったこともいくつかあった。

 久しぶりに映像など見て、改めてこの時期のディランが最も自分に影響を与えていたことなど、いろいろ想い出したりしていた。この時期の作品として3枚のアルバム(1965年の「ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム」、「追憶のハイウェイ61 」、1966年「ブロンド・オン・ブロンド」)にはいずれも多大な影響を受け、以前もこのブログで書いたことがある。

https://presto-largo-roadto.blog.ss-blog.jp/2018-10-28

 振り返ってみると、ディランのアルバム、ライブ盤、ブートレグシリーズなどはこれまで20作品以上聞いてきたので、長く深い付き合いがあるのだが、特に20代の多感な時期には大きな影響を受けた。当時ディランの歌詞や言葉を読み、その言葉が生み出す自由奔放なイメージに魅了された。とりわけ上記の3枚のアルバムのいくつかの曲(「廃墟の街」、「ローランドの悲しい目の乙女 」「ジョアンナのヴィジョン」など)から繰り出される言葉の数々が、無限の積み重なるようなイメージを生みだし、目がくらむような思いをしながら、必死に自分の中に取り込もうとした時期があった。一方で、意味の不明瞭な言葉やひたすら畳みかけるような、ある種ラップのような言葉たちにも眩暈を覚え、それは例えばアルバム「ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム」冒頭の「サブタレニアン・ホームシック・ブルース」での攻撃的な言葉に打たれた衝撃もあった。

 今回の番組を見ながら、あらためディランの物事に逆行する姿勢、反逆者としてのスタンスが印象に残った。フォークミュージックという足場から始めたが、彼の本質は一か所にとどまることでは充足できなかったのだろう。だからその後も音楽の関心は変化し、フォーマットも様々変遷してゆくわけだが、しかしライブやツアーを通じた伝道者として続けている、そんな姿がある。

 昨夜はそうしたことを考えつつ、久しぶりにディランの音楽を聞きながら、過去の自分の振り返りながら酒を飲んでいた。しばし忘れてたことを思い出し、再生され、当時の感覚がよみがえってきたりしながら。

NHK総合テレビ:アナザーストーリーズ 運命の分岐点
「ボブ・ディラン~ノーベル文学賞 原点のステージ~」
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