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シューベルト弦楽四重奏曲 第13番/キアロスクーロ・カルテット [コンサート(その他)]

 3月は気温上がらない日続いたが、月末に気温が急上昇。その日はコンサート予定で外出の日だったが、外出してみると思ってたよりはるかに暑い。結局駅までの途中、今年初めて半そでになる。冷え性と寒がりの自分がこれだけ暑さを感じるということは、一般的な人はもっと暑さを感じてただろう、と思いながら、ここ数年こうした急激な寒暖差は身体の対応が難しくなってると痛感するばかり。

 この日は、初めて聞く、キアロスクーロ・カルテットの演奏。
 ガット弦&ノン・ヴィブラート、低めのピッチで演奏するとのことで、音色はいつもと違うものになると予想してたが、それ以外にも違いはあり、チェロ以外が立奏、譜面はタブレットということで、視覚的にも違った。

 冒頭曲にはパーセルの作品。弦楽四重奏公演でハイドンより前の作品が取り上げられたのは記憶にないので、大変珍しい選曲。前半2曲目はハイドン弦楽四重奏曲「冗談」。最終楽章のユーモラスな演奏は終わったと思わせつつ、この曲はやはり実演で聞いてこそ面白さがあり、まさに「冗談」の表現にやられた、というところ。

 後半はシューベルト弦楽四重奏曲 第13番「ロザムンデ」。この曲の第2楽章は声高に語ることなく、シューベルトの歌心あふれる楽章だが、そうした心情が音色にうまく反映していたと思う。

 ガット弦とかピッチの低さから、やはり音はくぐもった感じがあり、ぐっと広がることはない印象だった。普段と違う音色だったこともあり、やはり無意識に慣れ親しんだ音色と比較するので違和感は確かにあった。そんな中、聞くにつれ、外側に向かって伸びやかに広がってゆくというより、音のイメージは内側に入ってくるような感じがあった。音が内側に、というのも妙な表現で、自分でも詳細な説明ができないのだが、どういうわけかイメージ上でそういう風に感じていた。
 そしてその内側に方向性をもった音に、どこか親密な会話のようにも聞こえてきた箇所もあった。

 生活レベルでも、毎日の繰り返しの手順や順番がいつもと違たったりすると、違和感が生じることがある。また、例えば駅までの歩く道を突然途中で曲がるとか、よく食べる店で急に注文したことのないメニューを頼んでしまうとか、部屋のカバンの置き場所を変えるとか、無意識に固定化されていた冷蔵庫内のモノの位置を変えるとか。そうした些細な変化は、アクセントとなり、普段気が付かなかったことに気が付くことがある。
 ちょっとした変化だけど、日々の生活では案外大切なことでもあるな、などとコンサートの感触から少し逸脱しながらも、終演後にそんなことをつらつら考えていた。


2024/3/31 フィリアホール キアロスクーロ・カルテット

パーセル:4声のファンタジアより 第7,8,11番
ハイドン:弦楽四重奏曲 Hob.III:38「冗談」
シューベルト:弦楽四重奏曲 第13番 D804「ロザムンデ」
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